ポーランド日記

ワルシャワに来ました。

6月8日

フラットメイトのモニカには、同僚のジャーナリストのボーイフレンドがいるのだが、彼はちょくちょく遊びに来る。私も面識はあるし、とても誠実そうでいい人だ。泊まっていくこともあるけど、私は家の中でかち合ったことはない。たぶん気を遣っているのだろう。

昨日は、夜11時半ごろ彼が来て、私は内心「うわ~この時間かよ」と思った。私とモニカの部屋はもちろん分かれていて、テレビや音楽の音は聞こえないが、話し声はなんとなく聞こえてくる。私の懸念は的中し、かなり遅くまで話し込んでいた。酒を飲んでいるようでけっこう談議はヒートアップしていて、12時過ぎたら気を遣ってくれることを期待していたが、そんな願いも虚しく2時過ぎまで話し込んでいた。途中何度か、「もう遅い時間だからやめてくれ」と言いに行こうと思ったが、私の中の「日本人」(というか波風立てずここは我慢というチキン心)と「海外でははっきり意見を主張するべきだ」という経験則がくんずほぐれつの格闘をしていた。けっきょく私はあらゆる意味で敗北し、代替案として大きめの音楽を流して自分の気を紛らわしつつ、できれば隣の音に気が付いてくれると嬉しいな、という何とも情けない選択で夜を明かした。何度かモニカがトイレにこもる音が聞こえて、「こりゃそうとう飲んだな」と思った。

次の日は、もう終わった寝不足で絶対仕事できないなと思っていたけど案外普通に起きられて、普通に家での仕事を始められた。しかしなんだかお腹が痛くて、ああこの痛さはあれだサイクルのやつだ、と思っていたら思った通り。そうなるとなんだか仕事もやる気が起きなくて、今日は休みにした。勤め人でなく自分で仕事をある程度コントロールするというのは、あまり金銭的に安定できないし私のような怠惰な人間には要注意な働き方ではあるけれど、体調が悪いから今日は休み!ってできるのは、学校勤めしていたときを考えると本当に拝みたいくらいありがたい。授業のスケジュールにがっちり組み込まれているから、以前の職場では実際に倒れたのに這ってでも出勤してきた先輩がいたけど、正直引いた。まじかよこの人…もし同じ状況になったら同じことを要求されるのだと考えると暗澹たる…というかそんなのホント勘弁。なんでそんな体育会系なの。

まぁ、そんなわけで今日は久しぶりに実家に電話して、ケバブを食べて、AKIRAを観た。さんをつけろよデコ助野郎!の名言にしびれながら、洗濯物を干して、携帯で花札して、ビールを飲んだ。

私もお酒が好きだし、モニカもそうとう飲むようだ。私見では泥酔する場合というのは、だいたい2パターンある。ただの阿呆で考えなしに飲んでそうなる場合と、ものすごくストレスがたまっていてそうなる場合。私はこの複合タイプであるが、モニカは阿呆ではない。そうとうストレスたまっているんだろうな、と思うと可哀そうになるが、昨晩のことを注意するか(12時過ぎたら配慮するのは常識)、今回は目をつぶるか、考えているのだけど、まぁ、面倒くさいので今回は言わないことにする。しかし、次は言う。そう思いながら、ほんとに久々に両親と話したな~と感慨にふける。