アイルランド紀行

5泊６日で、アイルランドへ行ってきた。

はじめ、なんで６日も予定を組んでしまったのか馬鹿か私はと後悔していた。お金もないし、居れば居るだけお金を使わなければならないし、一度行った(住んでいた)ことがある場所で何も新しいものもあるまいと思った。それから、だけどほかの日程だと飛行機のチケットが摩訶不思議に高くなってしまうのでこの日取りにしたことを思い出す。
結果としては、意外なほど、いや本当に楽しかった。

アイルランドは、イギリスの隣りにある島国で、広さはだいたい北海道より小さいぐらい。私は８年ぐらい前に、この国の首都ダブリンをぶらぶらしていたのだ。

ワルシャワからダブリンまで、飛行機で２時間半。時差は＋1時間。

1日目、まず空港に着いて、予想はしていたけどかなりきれいになっている。私が最後にいたとき、つまり8年前にはひとつだったターミナルは2つになり、バス停のスペースもずいぶん広くなっている。バス停から空港入り口までの通路には、雨除けのルーフなんて気の利いたものまでついている。

市内中心部までバスで行く。バスの形もどことなく変わっている。変わってはいるが、テーマカラーの黄色と紺色はそのままだ。ダブリンバスの車内には、ありがたいことにFreeWifiが飛んでいる。なんと、FreeWifiが、飛んでいるのだ。運賃は安いとは言えないけど、でも助かる。料金はよく調べなかったけど、40～50分ぐらいの道のりで、Zoneとしては最大だろう。でも、前の乗客にならって、
２€, plese. といって2ユーロで乗る。ちなみにAirLinkというもうちょっと時間を短縮できる(停車箇所が少ない)バスもあり、6ユーロかかる。もっといい車両の、AirCoachというバスもある。これは値段はわからない。

初日はとても暑い日だった。よく晴れていて日差しが強く、ワルシャワより暑いくらいだった。アイルランドでは、たしか一日中晴れの日というのは奇跡的なことなのである、と大げさにアイリッシュが言っていたような気がする。

とにかくホテルに荷物を置いて、身軽になって歩き回りたかった。かつて道を覚えてしまうぐらいにそうしたように、うごうごとダブリンの街を這い回りたかった。どれだけ街が変わったのか、そしてもちろん、自分が記憶しているダブリンと現実がどれだけ一致しているのかを、早く知りたかった。

街は思った以上にそのままで、そりゃ当たり前で、数百年も前の建物を、内装を工事したりペンキを何度も塗り替えたりしながら使っているのに、たった8年で何が変わるわけもない。でも、入ってるテナントも結構同じ店が多くて、比べるのも阿保らしいけど日本の店舗の入れ替わりの速さとは一体、と思わずにおれない。

ただ、中心部ではトラム路線の工事を行っていて、それは以前より拡大していて、なおかつ観光案内所の数がうんと増えていた。

観光案内所で、次の日の日帰りツアーを予約した。受付のお兄さんに尋ねられる。あなたは学生？と聞かれて、いいえ、学生じゃない、と答える。あなたは学生か？いいえ、違います。…いいや、あなたは学生だ！！といって５ユーロ安い学生料金にしてくれた。なんというか、やり口が素敵。

昼は、昔からあるフィッシュアンドチップスの老舗店のを買って、シティーホールの広場のベンチで食べる。フィッシュアンドチップスといえば、漁師の食べ物で、とりあえずカロリーがとれればOK！な高カロリー高蛋白な食べ物だと聞いたような気もするけど正しいかわからない。全部食べられないので、半分は残して持ち歩くことにした。手が脂っぽいので持参のウエットティッシュで手を拭くと、近くにいたアイリッシュのおじさん話しかけられる「えぇ？！そんなこと気にするの？！」私「え、ええ、気にしますよ、」だって油でギトギトですから…。その日はよく話しかけられて、道行くMessengerだかなんだかの高校生ぐらいの少年に(日焼けしていてかわいい感じの、たぶんハンサムになるな)、あなたはアイルランド人かと聞かれる。そんなこと生まれて初めて言われたけど、彼なりの「人種や見た目で差別をしていない」という礼儀の表し方だったのだと思う。アイルランドは移民が多く、コンビニ店員なんかは中近東系の人が多い。自分はこういうものだ(なんだかよくわからなかったが、教会関係の何か)が、よければウェブでチェックしてみてくれ、アイルランド滞在を楽しんで！！と言われて、握手を交わして別れた。なんだかよくわからないけど、そういえばアイリッシュはフレンドリーな人が多いって、そんなことを少しずつ思い出した初日だった。