ポーランド日記

ワルシャワに来ました。

私のフラットメイトについて

5月に引っ越した新しい部屋には、フラットメイトがいる。

 

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これはアパートの外観。いわゆる団地の中の一棟。わかりずらい。

 

彼女はモニカ。27歳、ポーランド人で、ジャーナリスト。

彼女の仕事は、テレビに映ってニュースを読み上げたり、取材のインタビューに出かけたり、ニュースの記事内容を書いたり、番組のとあるコーナーの内容を考えたりすることで、日本でそれに該当する職業が何なのか私にはよくわからないんだけど、イメージとして、アナウンサーとADと、その他なんだかを混ぜたような仕事をしている。休みは不定期で、とても忙しそうだ。

ということを読んでお察しの方も多いと思うが、彼女はとても優秀な人間だ。私はテレビ局に勤めるというのがどういう仕事かよくわからないし、ポーランドにおいてそうした職業がどういう位置にあるのかもよくわかない。小さな脳みそで、日本だったらと考えてみて、例えば若い頃の池上さんと(本当に知識のない例えで恐縮だが)、急遽どこからか来た外国人(私)が同居している、みたいな状況を想像してみた。その外国人は、国内において同居人がどのような価値のある人物かよく知らない。そんな状況、なのだろうか。(まぁ日本で、さらに芸能関係者でフラットシェアする人なんていないだろうけど)。まだポーランド人の友人もそんなにいないし、首都の、テレビ局に勤めていて、アナウンサーやそれ以上の仕事をしている人物、というのがどういうことなのか、私にはよくわからないけどそして彼女の恋人もまた、彼女以上に有名なジャーナリストだということだ。

 

そんなモニカ。

昨日私は、洗濯機の使い方がわからず、Google翻訳を使いながら葛藤して結局ダメでモニカにSOSのメッセージを送ったんだけど、そんな矢先に彼女が帰って来た。

どうやら飲んできたようで、自分が明日休みだからとにかく飲もうよ!と言いながら、冷蔵庫を開けて見つけた私のビールで乾杯する。笑 あなた、明日も休みみたいなものでしょ?Tak(はい)…それ私のビールだけどどうぞ飲んでください。ということで台所で飲み始めるが、途中モニカは電話したり、私は洗濯ものを干したり自由。
彼女はかねてより私が引きこもりなのを心配していて、しきりにナイトクラブへ行けと促す。私は日本でもクラブなんて行ったことないし、第一、大声で話しても声が通じないような場所で酒を飲むのは疲れる。そう言いはするものの、彼女はひかない。私が、もう若くないしと言うと、「そんなこと、私の母親に言ったら、『私のほうこそ若くないわよ』って言われたけど、それと同じ!」と一蹴された。そう、ヨーロッパでは、まだまだ28歳は若いのだ!まだまだこれからなのだ!クラブでハッスルしてもいいのだ。
モニカは、「歩いていたら100のアイデアが浮かび、それを実行して生きていくのだ!」「私はあなたを変えたい!」と意気込んでいる。私は、久しぶりに必要最低限以上の、抽象的な思考や雑多な内容を英語で話すことに四苦八苦していた。旅行英語では、やはり友人と人生に関する話をするのは難しい。
彼女にとってそうなように、私にとっても彼女は「違う人種」なのだと思う。これは肌の色や国籍のことではない。

私は彼女の期待に(大きな期待に)応えられる自信はこれっぽっちもないけど、この人すごいな、おもしろいな。しかし好きだな、という気持ちが綯い交ぜになって浮かんでくる。彼女は確かに意思も押しも強いけど、決して、自分と違う存在を蔑んだりしていない。

私は常日頃、死んだ魚のような眼をして生活しているので、こんな活気がある眼を見ると、まぶしくて目が焼け落ちそうだ。私が、もっと若い時だったらわからない。彼女のように活気に満ちて魅力的な女性に会ったら、焦りや嫉妬を感じたかもしれない。まだまだ私も若輩者だけど、でも、この年になってようやく、こんな活発で素敵な女の子に対して、こんな人間もいるのだと彼女に知ってもらいたい、それを理解してほしい、と思える余裕がある自分も、確かにいることに気がつく。