ポーランド日記

ワルシャワに来ました。

夏、到来。

外国にいると、日本の季節を思い出す。季節の匂いとか、食べ物とか、聞こえてくる音とか。昨日今日と、ワルシャワは夏日で、気温も34℃とかその辺を観測、本当に、夏。

昨日も今日も熱帯夜。

私はポーランドの夏をなめていたと思う。7月は、日陰にいれば長そででもどうにかなったし、朝晩は涼しかった。何故8月になったからと言ってこのように暑くならなければならないのかわからない。日本の夏なら当たり前の事だから我慢もできようが、涼しいと踏んでいたものだから、なんだか予定が狂ったような気がしてならない。もちろん私の勝手な思い込みなのだが。曇れば、やや湿度もある。体感的には日本の夏と大きく変わらない。日差しが強いぶん、日向を移動すると体力が見る見るうちに削られる。さながらドラクエの毒状態のように、歩くたびに少ない体力がなくなっていくのがゲージを見るようにわかる。

だから私は気が付く。何かが足りない、と。体感としての暑さと、暑さからくる怠さが日本のそれと似れば似るほど、日本の夏にあって、ここにないものに気が付いてしまう。蝉の声も、キョンキョンうるさい日暮らしの鳴き声も聞こえない。コンクリの道路から蒸発する水蒸気の匂いもしない。祭囃子とか、どこかの花火大会で打ち上げられる花火の音もしない。甲子園も枝豆もない。おいしくて安いビールがある。昨日背中を蚊に食われた。

仕事が終わって、日が暮れ始める8時過ぎに空を見上げて見た紫と橙のぼたぼたした雲には見覚えがあるのに、なんだか足りないな、と思うものがあるのが面白い。違いに気が付くというのは、いつもおもしろい。いや、そういえば今は夏風邪をひいて、匂いどころか食パンの味もチーズの味もわからないんだった。

 風邪をひくと、あるいは凹んでいると、仕事のパフォーマンスが下がるから早く治さなくてはならない、と、ビールを飲みながら考える。